建築物や工作物の解体・改修工事では、有資格者による石綿の事前調査が義務付けられています。 この「有資格者」にあたるのが石綿含有建材調査者です。この記事では、調査者資格にどのような 種類があるか、どのように取得するのか、難易度の目安について解説します。

石綿含有建材調査者資格の種類

調査者資格は、調査対象となる建築物の規模や構造によっていくつかの種類に分かれています。 代表的なものは次のとおりです。

資格名主な対象
一般建築物石綿含有建材調査者戸建て住宅を除く一般的な建築物
特定建築物石綿含有建材調査者より高度な調査知識が求められる建築物
一戸建て等石綿含有建材調査者戸建て住宅・小規模建築物
工作物石綿事前調査者煙突・ボイラー・配管設備等の工作物

調査対象や工事の規模に応じて、必要な資格の種類が異なります。工作物を含む調査を行う場合は、 建築物調査者資格とは別に工作物石綿事前調査者の資格が必要になる点に注意が必要です。 詳しくは 工作物石綿事前調査者とは?2026年義務化で何が変わった で解説しています。

資格の取り方

いずれの資格も、国が定める基準に基づいて登録された講習機関が実施する講習を受講し、 修了考査(筆記試験等)に合格することで取得できます。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 登録講習機関が開催する講習会に申し込む。
  2. 座学講義を受講する(建築物の構造、石綿含有建材の種類、関連法令、調査方法など)。
  3. 実技講習(現地調査の演習等)を受講する。
  4. 修了考査を受験し、合格基準を満たす。
  5. 修了証が交付され、有資格者として登録される。

講習の日数や科目構成は資格の種類や講習機関によって異なるため、受講を検討する際は 各登録講習機関の最新の案内を確認することをおすすめします。また、資格には一定期間ごとの 更新講習が設けられている場合があるため、あわせて確認しておくとよいでしょう。

難易度の目安

調査者講習は、建築や解体工事に関する実務知識がある方であれば体系的に学習することで 対応しやすい内容とされています。一方で、まったく実務経験がない場合は、建材の種類や 構造に関する専門用語に慣れるまでに一定の学習時間が必要になることがあります。 合格率や難易度は講習機関・回によって差があるため、一概には言えませんが、講習内容を しっかり復習し、実技演習に真剣に取り組むことが合格への近道といえます。

資格取得後にできること

資格を取得すると、法令で義務付けられた石綿事前調査の実施者として、解体・改修工事前の 調査報告書を作成できるようになります。調査の結果、石綿含有建材が確認された場合は、 その後の除去工事において、負圧管理やHEPAフィルターによる集じんなど、飛散防止対策を 適切に講じることが求められます。

まとめ

石綿含有建材調査者は、建築物・工作物の解体改修工事において法令上必要とされる専門資格です。 対象によって資格の種類が異なるため、自身が携わる工事内容に応じた資格を確認したうえで、 登録講習機関の講習を受講することが第一歩となります。

調査後の除去工事に必要な負圧管理機器・記録装置については 石綿対策機器についてのページもご参照ください。